会社の種類

(1) 会社の種類

  1. 株式会社
    もっとも一般的な会社。有限会社は設立できなくなり株式会社に統一されました。資本金1円でも、取締役1人でも設立できるようになりました。他の会社形態よりも社会的信用度、評価もあるのが有利な点といえます。
  2. 合同会社(LLC)
    株式会社に比べて低コストで設立できます。個人事業の延長、副業等に向いています。役員変更も決算公告も必要ありません。将来的に株式会社への変更も可能です。
  3. 合名会社、合資会社
    無限責任(会社だけでなく個人に債務が及ぶ)の社員が必要となります。家族会社等が多いですがあまりお勧めはしません。
  4. 有限責任事業組合(LLP)
    2人以上で設立します。個人に対しての課税になりますので毎年の法人税(最低7万円)がかかりません。専門的な会社に向いています。株式会社への変更はできません。
  5. 公益法人
    2008年12月より、一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人に統一されます。設立において主務官庁の許可が不要となり、登記のみで一般社団法人・一般財団法人を設立することができます。いきなり公益社団法人・公益財団法人は設立できません。
  6. NPO法人
    NPOとは社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体の総称です。それに法人格が付与されたものがNPO法人です。設立の流れとしては、所轄官庁の認証(許可のようなもの)後に設立の登記にて法人格が得られます。
  7. その他の法人等についてはお問い合わせください。

(2) 株式会社

  1. 定款定款とは、会社の組織及び活動を定める根本規則です。絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項に分かれています。会社は定款に定めた事項のみしか活動できないし、定款に定めた事項に拘束されることになります。格安設立等で雛型の定款を利用する設立には注意する必要があります。
    * 絶対的記載事項(この定めがないと定款としての効力がないもの)
    1. 目 的
    2. 商 号
    3. 本店の所在地
    4. 設立に際して出資される財産の価格またはその最低額
    5. 発起人の氏名(名称)及び住所
    6. 発行可能株式総数
    * 相対的記載事項・任意的記載事項
    相対的記載事項とは、定款に定めなくても定款自体の効力には影響を生じないが、定款に定めていないときはその事項の効力を生じないというもの。例えば、現物出資等。任意的記載事項とは、定款に定めなくてもよい事項。
    * 注意する事項の一例
    定款に「相続人等に対する売渡請求」が設立のご依頼人に対して何の説明もなく記載されている場合があります。この規定は、株主が亡くなり株式を相続する相続人に対し、会社が株式を売り渡すように請求できるものです。相続人がたくさんいる場合など混乱を防ぐ意味もあり効果的な点もあります。しかし、自分の家族に経営を任せたいと思っていたところ株式を全部買い取られ、事実上の乗っ取りが成立する可能性もあるという危険な条文です。
  2. 機関株式会社の機関は、株式の譲渡制限の規定があるかどうか、大企業かどうかによって変わってきます。大企業の場合には監査役、会計監査人の設置等が必要となります。株式の譲渡制限の規定は、新しく設立する会社においては、記載されていることがほとんどです。なぜなら規定がないと取締役1人で設立できない等の制限が多いからです。また、会社法施行(平成18年5月1日)以前に設立した会社において株式の譲渡制限の規定がない場合、監査役の変更登記が必要となる場合があります。
    * 株式の譲渡制限の規定とは、「株式の譲渡には、株主総会の決議が必要です」といった規定のことです。
    * 大企業とは、最終の貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上、または負債の部に計上した額が200億円以上の会社。
    1. 株式の譲渡制限の規定がある会社
      取締役1人のみでも可能。監査役を置かなくて大丈夫です。もちろん取締役会を設置(取締役3人以上)するなど自由にできます。
    2. 株式の譲渡制限の規定がない会社
      3人以上の取締役に取締役会・監査役を設置しなくてはなりません。株式の上場を目指している会社の場合、設立して期間の長い会社等に多いです。
  3. 株式
    現在設立する会社においては、原則不発行となっています。会社法施行以前の会社においては、発行する旨が謄本に記載されていました。会社法施行以前の会社で発行をしていない会社は発行することの定めを廃止することも可能です。株式の種類も下記のとおりたくさんあります。

    1. 普通株式
      一般的な株式です。下記の株式を発行しない場合はすべてこの株式となります。
    2. 剰余金、残余財産の配当の種類株式
      剰余金、残余財産(どちらか一方でも可)の配当について、普通株式よりも有利な条件の優先株式、不利な条件の劣後株式を発行することができるというもの。
    3. 議決権制限株式
      株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類株式を発行できるというもの。例えば、取締役の選任決議についてのみ議決権を与えるといったようなもの。
    4. 取得請求権付株式
      会社がその発行する全部または一部の株式の内容として、株主が会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨を定めている株式のこと。
    5. 取得条項付株式
      会社がその発行する全部または一部の株式の内容として、当該会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨を定めている株式のこと。
    6. 全部取得条項付種類株式
      当該種類株式について、会社が株主総会の決議によってその全部を取得する旨の定めがある株式のこと。種類株式発行会社のみ発行することができる。
    7. その他
      上記以外に、拒否権条項付株式、役員選任権付種類株式等があります。
    * 株式を与えるという意味で新株予約権という制度もあります。新株予約権とは、権利者があらかじめ定められた期間内に、あらかじめ定められ た金額を払い込めば株式を取得できる権利のこと。例えば、ストック・オプションとして利用される場合。

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